木のものづくりに興味がある、家具作りを仕事にしたい、木育に携わりたい、森のことを学びたい・・・。こんな思いを持っている人へ、新しい時代の木工を学べる学校、岐阜県立森林文化アカデミーを紹介します。
Blog by Masashi Kutsuwa @ Gifu Academy of Forest Science and Culture
01 February 2007
椅子ができました/ chairs by postgraduate students
ものづくり研究会の1年生2人がつくっていた椅子ができました。
早い学生で40時間ほどで完成しました。自分で座も張り、塗装も終えた椅子たちは、売られている商品のようなできばえです。
どこがいちばん難しかった?との問いには「ここに角度をつけるとそこにもあそこにも角度がつくこと」との答え。
Our postgraduate students have finished their chairs. The quicker student finished it in forty hours. Upholstered and oiled by themselves, the chairs now look like proper commercial products. I asked them what was the most difficult part and the answer was the 'compound angle'.
写真では分かりづらいのですが、この椅子のように前脚と後脚が平行ではなく、下へ開いているのを「転び」といいます。4本の脚が中心から外へ向かって開いていれば「四方転び」です。
脚が転んでいると、あちこちの部材に角度の影響が現れます。これを計算するのは意外と難しく、それぞれの部材の寸法を計算で出そうと思うと三角関数を使わなければなりません。椅子をつくるのにサイン、コサイン、タンジェント・・・僕自身も木工職人になっていちばん驚いたことのひとつです。もう使うことはないだろうと思っていたのに、まさかこんなところで・・・。
Chair with tilted legs creates compound angles here and there. It is difficult to get the right angle and dimention by calculation, and trigonometric functions are involved. This is the thing that surprised me the most when I started training as a woodworker. You need trigonometric functions to make a chair!
このように曲がった背に合わせて脚の先端を切る加工だって、隙間なくつくるには正しい機械のセット方法を知っていなければなりません。
Even the top ends of the leg like this photo require good understanding of compound angle and proper setup of machines to make it right.
椅子はシンプルに見えても難しい。2人とも無事完成させて、満足そうです。
Chair is not an easy thing to make even though it looks simple. The students were happy to have finished their chairs.